BMS 仕様解説 - ゲージ上昇率(#TOTAL)
大昔に「このこたけのこ」なるサイトで執筆したコラムに、近年の音ゲー事情を加味した修正を行って再掲載してみたいと思います。
今後も気まぐれで掲載するかもしれません。
@ゲージ上昇率(#TOTAL)について
#TOTAL の表記に続いて整数数値を記述します。
この数値は、
全てのオブジェで最高(または上位数段階、本体による)の判定を出した場合のゲージの上昇率(%)
になっています。
多くの本体の基本モードでは開始時に 20% 程度ゲージが溜まっているので、
実質クリア可能な最低値は 60 程度ということになります(80%でクリアの場合)。
ただこの初期値及びクリアに要するゲージ量はあくまでも本体依存です。
本体を制限しないのであれば、最低でも 100 以上を指定するようにしましょう。
// すべてのオブジェで最高判定を出した場合、ゲージ 300% 相当のゲージ増加
#TOTAL 300
@ノート数と #TOTAL の関連
ゲージ上昇率の計算にはその BMS の総オブジェ数が使われます。
(1 オブジェ良判定時のゲージ上昇率) = (#TOTAL で指定した値) / (BMS の総オブジェ数)
(#TOTAL 200/オブジェ数 500 の場合)→ 200 / 500 = 0.4(%)
(#TOTAL 200/オブジェ数 1000 の場合)→ 200 / 1000 = 0.2(%)
ここで焦点になるのはMISS 判定でのゲージ減少率です。
多くの本体は良判定でのゲージ上昇率が計算で算出される反面、
MISS 判定は固定値のことが多いです。
つまり同じ #TOTAL の設定であれば、オブジェ数が多いほど MISS 一回の重みが増すことになります。
前述の例を流用して、MISS でのゲージ減少率を 4% とした場合、
オブジェ数 500 の場合は MISS 一回のゲージ減少を 10 回の良判定でカバーすることができますが、
オブジェ数が 1000 だと MISS をカバーするのに良判定を 20 回出す必要があります。
この程度のオブジェ数であれば大した問題ではないのですが、オブジェ数が極端に多い BMS を作成する際は重要な要素となります。
@#TOTAL の指定について(省略時など)
BM98 付属のマニュアルに準拠した場合は #TOTAL の指定は強制ではありません。
しかし近年は再生ソフトも多様になり、#TOTAL 省略時の解釈がかなり本体依存になっているようです。
ゲージ上昇率の調整はゲーム性を高めるために重要な要素ですので必ず指定するようにしましょう。
特に作成補助ソフトとして GDAC2 を使用する場合、
多くのレーンスクリプトでは #TOTAL をテキスト直打ちすることになりますので注意してください。
数値の調整のコツはとにかくテストプレイを重ねることに尽きると思います。
できればいろいろな方にもテストプレイをしてもらいながら調整してみてください。